【新着データ】心不全HFpEF患者における日米の実態比較
2023/10/11
心不全HFpEF患者における日米の実態比較
https://pv.eucalia.jp/data/974/
本分析は、2023年8月開催の欧州心臓病学会とThe New England Journal of Medicineで発表された米・University of Missouri-Kansas City School of MedicineのMikhail N. Kosiborod氏らの論文における「米国でのHFpEF患者の傾向」が、日本国内でも同様か否かを、ユカリアの保有する電子カルテデータベースを用いて検証したもの。
具体的には
といった点である。
左室駆出率(LVEF)に基づいて分類されるHFpEF(収縮機能が保たれた心不全)とHFrEF(収縮機能の低下した心不全)は、病名としては同じ「心不全」として扱われ、電子カルテ上でも病名として区別されていない。今回は電子カルテ上にテキストデータとして記載された左室駆出率の検査値からHFpEFとHFrEFを峻別し、分析を行った。
心不全患者全体のうち、HFpEFは86.3%と大半を占めていた。また、全年代を通じて、大きな傾向は変わらなかった。
40代以下ではHFpEFの割合が95.2%と特に高くなっているが、50代以降では全年代で8割以上の水準となっている。
同様の分析を実数ベースで行うと、HFpEF患者数は特に70代以上で多く、全年代合計の約7割(1,345人)を占めている。
男女での構成比を見ると、HFpEFは女性の割合が約6割と高く、HFrEFやHFmrEFの女性割合約4割と比べると異なる傾向が見られる。
左室駆出率・年代・BMI値別の構成比からHFpEF患者に占める肥満患者割合を見ると、50代:50%、60代:40%、70代:28%、80代:27%、90代:13%となっており、「大半が過体重または肥満」とされた米国の状況と比較すると大分低い状態と考えられる。